快適なWi-Fi速度ってどれくらい?目的別の通信速度をご紹介

無線で端末とインターネットを接続できる、Wi-Fi。
Wi-Fiに対するイメージとして、「常に安定して速い通信が可能」という風に思う方は多いのではないでしょうか。
しかし、当然Wi-Fiの機器のスペックや回線によって通信速度は異なります。
また、Wi-Fiを使って仕事をするのか、動画視聴をするのかといった用途によっても、最適な通信速度は違います。
そこで、今回は使用用途や端末ごとに、快適な通信ができる通信速度をご紹介します。
回線速度の単位とは?
まず、インターネット回線の速度を表す単位から紹介いたします。
インターネットの回線速度の単位は、「bps」と呼ばれ、1秒間に何ビットの通信ができるかを数値で表しています。
前に付く数値が大きければ大きいほど、回線速度が速いと言う意味になります。
また、「Kbps(キロビーピーエス)」、「Mbps(メガビーピーエス)」という単位もあります。
「1,000bps」=「1Kbps」、「1,000Kbps」=「1Mbps」となります。
速度が速いものはどう表記してある?
では、実際の商品などで、回線速度の速さはどれくらいの数値で示されているのでしょうか。
例えば、最新のWi-Fi規格「 Wi-Fi 6(11ax)」に対応しているバッファロー製のルーターは、最大の転送速度として「4,803Mbps」を謳っています。
10,000円台の高スペックルーターであれば、このような通信速度の数値を商品説明に記載しています。
参考:https://kakaku.com/item/K0001262895/?lid=kmag_pc_pc_10099_item_mid
一方、3,000円〜4,000円台の通常スペックのルーターであれば、大体800Mbpsほどの数値となります。
Wi-Fiルーターを選ぶ時はこの数値に注目して性能を確認しましょう。
基本的なWi-Fiの通信速度
では、ポケットWi-FiやWi-Fiスポットなどの、基本的なWi-Fiの通信速度はどれぐらいなのでしょうか。
誰もが一度は利用したことがある、一般的なWi-Fiで速度の目安をご紹介します。
ポケットWi-Fiの速度は?
平均的なポケットWi-Fiの通信速度は、30〜40Mbpsと言われています。
しかし、いかにコンパクトなWi-Fiでも年々性能は向上しており、それに伴って通信速度も速くなっています。
ポケットWi-Fiの中で通信速度が速いものは、
- ダウンロードの速さを示す「下り速度」で約50Mbps
- アップロードの速さを示す「上り速度」で約60Mbps
という数値を基準に判断できるでしょう。
Wi-Fiスポットの速度は?
Wi-Fiスポットは、空港や公共交通機関、最近では集客のためにレストラン、カフェなどでも無料提供されています。
そんなWi-Fiスポットの通信速度は、平均「25Mbps」でポケットWi-Fiの通信速度と比べ約半分の速度となります。
繋げるだけで無料で使えるWi-Fiはとても便利ですが、通信速度が遅いことに加え複数人でWi-Fiを分け合って使用するため、通信も不安定になってしまいます。
目的別の通信速度の目安
動画視聴や写真、メールのダウンロードやアップロードなどの使用目的にあった通信速度の目安をご紹介します。
「送信」=「上り」
「上り」速度とは、写真、動画などをスマホやパソコンからインターネットを通じて送信する通信のことを指します。
「上り」の数値が大きいとデータを送信する速度が速くなります。
動作 | 最低限必要な上り速度 |
メール送信 | 1Mbps |
SNSへの写真投稿 | 3Mbps |
SNSへの動画投稿 | 10Mbps |
メール
メールなどを送信する場合は、「1Mbps」の上り速度があればスムーズに送信できます。
メールは文字情報のため、速度が低下していても問題なく送信できそうです。
SNSへの写真投稿
SNSなどへの写真投稿は「3Mbps」の上り速度があると問題なく写真投稿できます。
公共のフリーWi-Fiなどではスムーズに行えない可能性もあります。
SNSへの動画投稿
SNSへの動画投稿となると、「10Mbps」程度の上り速度が必要です。
こちらも、極力フリーWi-Fiではなく自宅などのWi-Fi環境下で行った方が良いでしょう。
「受信」=「下り」
「下り」速度とは、メール、画像などをインターネットからスマートフォンやパソコンなどの機器に受信、ダウンロードすることです。
動作 | 最低限必要な下り速度 |
Webページの閲覧やメール、LINEなどの受信 | 1Mbps |
YouTube動画の再生(720p) | 2.5Mbps |
YouTube動画の再生(1080p) | 5Mbps |
4K動画の再生 | 20Mbps |
Webページの閲覧、メール受信、LINE受信
Webページの閲覧やメール、LINEなどの受信は、下り速度が「1Mbps」あれば動作できます。
画像データの読み込みが少ないページなら、速度制限がかかっていても問題なさそうです。
YouTube動画閲覧(720p)
YouTubeで720p(低画質)の動画を視聴するには、「2.5Mbps」の下りの速度が必要です。
フリーWi-Fiを利用している状況で動画の視聴をしなくてはいけない場合は、低画質設定にしましょう。
YouTube動画(1080p)
YouTubeで1080p(高画質)の動画を視聴するには、「5Mbps」の下りの速度が必要になります。
高画質でみたいのであれば、フリーWi-Fiでの視聴は避け、自宅のWi-Fi環境で視聴することをおすすめします。
4K動画の再生
4Kの動画を視聴する場合は、「20Mbps」とかなり高い下りの速度が無いと、滑らかに動画を見ることは難しいです。
外出先で必ず4K画質の動画を再生したいのであれば、事前に端末へダウンロードをしておきましょう。
インターネットが遅い時の原因と対処法
Wi-Fiに接続していても、スマートフォンやパソコンの通信が不安定になり動きが悪くなってしまったけれど原因が分からない……ということも度々起こります。
そこで、今回はWi-Fi環境でインターネットが遅くなる原因とその対処法を3つの手順でご紹介します。
ルーターの設置場所を見直す
電波周波数帯を変更する
ルーターを新しい機種に買い替える
一つずつ見ていきましょう。
ルーターの設置場所を見直す
Wi-Fiのルーターは、インターネットと接続したい機器を繋いでくれる大切な機械ですが、置き場所によって電波状況が左右されます。
例えば、Wi-Fiルーターを置く場所が、繋げたい機器とあまりにも遠い場合は、部屋の中でも壁などにより電波が妨げられることもあります。
電話回線を必要としないWi-Fiの場合は、なるべく窓際や繋げたい機器の近くにWi-Fiルーターを設置しましょう。
置き場所を改善することでインターネットの通信が良くなり、スムーズに繋がります。
電波周波数帯を変更する
Wi-Fiルーターの設置場所を見直しても通信速度が遅く、ページの読み込みなどに時間がかかる場合は、Wi-Fiの電波周波数帯を見直してみましょう。
Wi-Fiの電波の周波数は、2.4GHzと5GHzの2種類があります。
一般的に、周波数の数値が高いほど通信速度は速くなるとされています。
2.4GHzと5GHzの違いを詳しく説明します。
- 2.4GHz
2.4GHzは周波数が低いので、5GHzと比べると通信速度は遅くなります。
しかし、電波が遠い距離まで届き、障害物による影響を受けにくいという特性があります。
2.4GHzはBluetoothやテレビ、家電などよく家庭で使われている周波数帯です。
そのため、お互いの電波の影響を受け通信が悪くなってしまうことも多いです。
- 5GHz
5GHzはWi-Fiだけに使用される周波数帯なので、他の家電などの影響を受けにくく、また通信速度も速いです。
しかし、5GHzの難点は、壁や物などの遮蔽物によって電波が妨害されやすいという点です。
障害物がたくさんある場所では上手く接続できず、インターネット通信が遅くなってしまいます。
どちらかの周波数帯でインターネットの接続が悪くなってしまった場合は、もう片方の周波数帯に切り替えてみましょう。
ルーターを新しい機種に買い替える
新しい高速無線LAN回線の規格が普及しても、使用しているルーターがそれに対応した機種でなければその回線を利用することはできません。
また、一つのルーターを繋ぎっぱなしで長年使っていると、老朽化して性能が落ちてしまいます。
Wi-Fiルーターを介してインターネットを利用していて、接続の調子が悪くなってきたらまずは上記の2つの手順を行いましょう。
それでも改善しないようであれば、最新の回線に対応しているルーターに買い替えることをおすすめします。
まとめ
Wi-Fiにも通信速度があるということは、意外と知らない方も多いです。
そして家庭用Wi-Fiルーターの性能は、年々進化しています。
Wi-Fi=遅い、有線LAN=速いという常識も、Wi-Fiの性能アップによって今後変わってくるかもしれません。
自宅で利用しているWi-Fiの通信速度が遅いけど、無線だから仕方がない……と諦める前に、一度最新式のWi-Fiルーターの導入を検討してみることをおすすめします。